
アルツハイマー型認知症のお薬には何がありますか。

コリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジル(アリセプト)、ガランタミン(レミニール)、リバスチグミン(リバスタッチ、貼り薬のみ)とNMDA受容体拮抗薬であるメマンチン(メマリー)があります。

軽症であればコリンエステラーゼ阻害薬を、中等症でNMDA受容体拮抗薬を、重症になればコリンエステラーゼ阻害薬ドネペジル10mgを使いましょう。

実際の薬物療法はとても難しいので、お困りの方はネットの情報に頼らずに必ず病院に行きましょう。
認知症にはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、前頭側頭型認知症などがあります。コリンエステラーゼ阻害薬はあくまでもアルツハイマー型認知症の病態を対象として開発された薬であることを忘れないようにしましょう。レビー小体型認知症もアセチルコリン作動性の細胞が減ってますから理論的にはコリンエステラーゼ阻害薬の適応ですが、アルツハイマー型認知症ほどの改善はふつうはみられません。
現在ある全ての抗認知症薬の効果は治癒ではなく進行抑制です。コリンエステラーゼ阻害薬の副作用でよくあるものとしては食欲不振、下痢嘔吐などの消化器症状です。リバスチグミンの貼り薬は消化器症状の副作用が少ないといわれています。またコリンエステラーゼ阻害薬は循環器系の副作用もあり注意を要します。徐脈や心伝導系の異常がある方には注意です。MCI(mild cognitive impairment)に対するコリンエステラーゼ阻害薬の認知症進行予防効果はエビデンスがありませんので、MCIにコリンエステラーゼ阻害薬を投与することは推奨されていません。
NMDA受容体拮抗薬は、過剰なグルタミン酸による神経毒性を抑制します。MNDA受容体拮抗薬はあくまで中等~重度に対する適応があり、軽度の場合に有効性のエビデンスはありません。コリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンの併用の有効性は報告されています。ですから軽度の時にコリンエステラーゼ阻害薬を使用開始し、もし進行抑制されず中等、重度と進行したときにMNDA受容体拮抗薬を上乗せで追加するという処方がよいかもしれません。処方例として、重度の場合に、ドネペジル10㎎+メマンチン20㎎などの処方がされます。ただし副作用の軽減のため、薬は漸増が基本となります。
メマンチンは1週間に5mgずつ20mgまで増量して20mgを維持するのが基本の処方となります。
実際の臨床では開始時期が超高齢である場合などにおいて、消化器の副作用などのリスクとベネフィットを考え合わせ、抗認知症薬を使用しない選択もあり得ます。認知症の方は法律上車の運転は禁止されており、これも患者様とご家族に説明する必要があります。
認知症ちえのわ https://chienowa-net.com/には当事者の方々による有益な意見が掲載されています。
さてここからは認知症の画像診断についてみていきましょう。 MRIのVSRAD(ブイエスラド)というの撮影方法があり、これは造影剤などはいりません。これでz scoreが1以上あればアルツハイマー型認知症の可能性が高いといわれています。
VSRADを用いた認知症診断(特にアルツハイマー病)の注意点、画像診断
ただしz scoreが1以下であってもアルツハイマー型認知症を否定できるわけではなく、最終的には臨床症状を加味して総合的に判断することになります。
さらにz scoreが2以下である場合に(もちろんz scoreが1以下の場合も含める)、アルツハイマー型認知症なのかレビー小体型認知症なのかを画像から予測することができます。それは
《灰白質》VOI間萎縮比= 《灰白質》背側脳幹VOI内萎縮度/《灰白質》内側側頭部VOI内萎縮度 《白質》VOI間萎縮比= 《灰白質》背側脳幹VOI内萎縮度/《灰白質》内側側頭部VOI内萎縮度 の値が共に、0.2以上のとき、レビー小体型認知症の可能性が高いといわれています。
参考文献
1 アルツハイマー型認知症患者と家族に対する認知症治療薬投与時の説明 敷井 裕光 臨床精神薬理 25:1213-1221,2022
2 画像診断まとめ ホームページ
3 抗認知症薬を使うか使わないか 著者: 小田陽彦 出典: 臨床精神薬理 Volume 25, Issue 6, 669 – 675 (2022) 出版社: 星和書店
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