パニック症と広場恐怖の関係

パニック発作が電車で起きたことはないのに、電車がこわくて乗れなくなってしまいました。

パニック症の方に予期不安があらわれ、そこから回避行動をして広場恐怖症に発展することがあります。

お薬いがいにも治療法はありますか。

認知行動療法があります。

チョっとくわしく
DSM5では同一の生物学的基盤が予想されるパニック障害と広場恐怖は同じ不安障害群に分類され、その二つはお互いに独立した疾患となりました。単独でも併存でも診断可能ですが、不安障害群の疾患同士は併存しやすいことは上述の理由から想像しやすいでしょう。強迫症やPTSDは不安障害群とは別のカテゴリーになっています。分離不安症や選択性寡黙は不安障害群に分類され、これらも同一の生物学敵基盤があるわけですから、成人になってパニック障害を発症しやすいことが予期できます。
パニック障害は同じ不安障害群の疾患のほかに、気分障害、物質使用障害(セルフメディケーション仮説)、神経発達症群との併存がありえます。
不安と自殺行動はU字カーブをイメージすることができます。不安が高すぎても、なくなりすぎても自殺行動が増えるということです。
パニック障害には認知行動療法が効果があります。認知行動療法とは、ある場面において気持ち(不安)、考え(認知)、動き(行動と、体の反応)をわけて把握して、気持ちを変えるために、考えと動きを変えようというものです(心臓発作でしんでしまうという気持ちを、呼吸がしょうしょう乱れても心臓発作でしぬことはない、このまえの心電図でもまったく異常がなかったという考えをもって修正してみる)。
パニック障害への薬物療法としては、パキシルかセルトラリン(ジェイゾロフト)です。エスシタロプラム(レクサプロ)、SNRIのベンラファキシン(イフェクサー)、フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)もガイドラインにはのっています。

さてここからは一般的な不安症群(恐怖症、パニック症、広場恐怖症、全般不安症、PTSD)についての話をしましょう。不安症の薬物治療ですがガイドラインではSSRIやSNRIが推奨されておりベンゾジアゼピンは推奨されておりません。SSRIの用量依存性についてはエビデンスがあまりなく、三環系四環系、SNRIまたミルタザピンは用量依存性がある可能性があります。
全般不安症についてプレガバリン(商品名 リリカ)が効果があるかもしれません。また不安症の第二選択として、hydroxyzine(アタラックス)、パニック症にはpindolol(βブロッカー)、社交不安症にはガバペン、イーケプラ、トピラなどの抗てんかん薬が使用されることもあります。

参考文献
1 パニック症の長期的展望 (特集 精神疾患患者の人生全体を視野に入れた治療と支援) 関陽一 著 · 2021 — 臨床精神医学 = Japanese journal of clinical psychiatry. 臨床精神医学 = Japanese journal of clinical psychiatry 50(11), 1207-1212, 2021-11.
2 パニック症の認知行動療法の治療者用マニュアル 厚生労働省 パニック障害(パニック症)の認知行動療法マニュアル(治療者用)
3 パニック症(障害)をみるための標準的知識と技能 高塩 理,須藤 英俊,福島 隆総 精神科治療学 36 3 424 301-306
4 不安症における抗うつ薬の適正用量 著者: 大坪天平 出典: 臨床精神薬理 Volume 25, Issue 12, 1323 – 1330 (2022)

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