SDM(DSMではありません)

SDM(shared decision making)は治療について患者様が主体的に意思決定するのを医療スタッフが一緒に支援する姿勢をいい、最近注目されています。

医師が全て決めてしまうパターナリズムと、患者様に情報を提示し全て決めてもらうインフォームドコンセントの、ちょうど中間に位置するのがSDMです。

はい。統合失調症ではSDMを導入した方が、服薬アドヒアランスが上昇したと報告されています。

不安症であれば「危険を察知して不安をおこす偏桃体が過活動の状態です。警報アラームの誤作動がつづいている状態といえます。本来警報アラームをなおす役割をもつ前頭葉もうまくはたらかなくなっています。」と説明できます。

不安症の薬物治療については「SSRIによりセロトニンを増やし警報アラームの誤作動をなおします。しかしSSRIの効果がしっかりと出現するまで一か月程度かかるので、その間はベンゾジアゼピン系抗不安薬を使います。これはGABAをふやすのですが、このGABA神経系は網の目状に脳内にはりめぐらされていて、不安だけでなく頭を全体的に抑制するため、眠気や筋肉の弛緩が起こり得ます。かえって不安が増強したり興奮してしまうこともありこれは脱抑制といいます。」と説明できますね。

お薬の使い方はとても難しいので、お困りの方はネットの情報に頼らずに必ず病院に行きましょうね。

チョっとくわしく
ガイドラインで推奨されている不安障害(パニック障害、社交不安障害、全般性不安障害)の治療継続期間は数か月~2年までと幅があります。しかし不安障害の中でも最も寛解率が高いとされるパニック障害でさえも薬物療法を無期限になってしまう場合もあります。

うつ病の話になりますが、SSRIと妊娠について、胎児・妊婦への影響とも一致した見解はない。うつ病の妊婦に抗うつ薬による治療をしない場合早産や出生時低体重などのリスクが高まるという報告があり、以上を考え合わせると中等症以上のうつ病ではSSRIによる治療をした方がベネフィットが高いとされます。同様のことが不安障害にもいえそうです。なお、妊娠で使うSSRIとしてセルトラリンがベターであるという指摘があります。

ベンゾジアゼピン系のお薬の出産への影響として、低いApgar score、floppy baby syndrome、新生児無呼吸などがあります。

SSRI内服中の授乳については投与量の約1%程度のみが乳汁移行するため、うつ病のガイドラインでは推奨されており、セルトラリンやパロキセチンが好ましいとされています。ベンゾジアゼピン系抗不安薬内服中の授乳は好ましくないとされています。

SSRIは肝機能や腎機能低下時に血中濃度があがることがあるため、特に高齢者などでは気をつける必要があります。



参考文献
1 不安症患者および家族に対する SDM を見据えた薬物療法についての説明:SSRI および抗不安薬を中心に 著者: 藤田浩司, 塩入俊樹 出典: 臨床精神薬理 Volume 25, Issue 11, 1193 – 1203 (2022)
2 統合失調症における抗精神病薬治療の際の共同意思決定(Shared Decision Making : SDM)の導入について 著者: 島本優太郎, 嶽北佳輝 出典: 臨床精神薬理 Volume 25, Issue 11, 1169 – 1177 (2022) 出版社: 星和書店

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