
抗うつ薬を使用する際、第一選択薬の決定は難しいですね。

そこで伝統的な考え方を知っておくのは臨床をする上で助けになります。まずうつ病を抑制型のなかの悲哀型、抑制型のなかの精神運動抑制型、そして焦燥型にわけます。

そうですね。抑制型ー精神運動抑制型にはノルアドレナリン系抗うつ薬(ノリトリプチリン[ノリトレン])、抑制型ー悲哀にはノルアドレナリンとセロトニンのバランスのとれた薬(イミプラミン[トフラニール]、、クロミプラン[アナフラニール])、焦燥(不安)型にはセロトニン系抗うつ薬(アミトリプチリン[トリプタノール])を優先させて使用するということですね。

文献では「ヤスパースの発生的了解不能」「シュナイダーの生活発展の意味連続性の中断」があげられています。これはつまり健康だったAという人物が、「わたしは罪深い人間だ」などと発言しだした時に感じる「いつものAさんなら、そんなこといわないはず。何かあったのではないか。何かあったとしても、あのような言い方はおかしい。精神の病気ではないか?」と思わざるを得ないときの「了解不能」や「中断」をさしています。またdemoralization(士気低下)には、気分の反応性が保たれているといわれます。
焦燥型うつ病は自殺のリスクが高いため、治療には注意が必要です。
参考文献
1 <モーニングセミナー>多様化したうつ病にどう対応するか? 大坪 天平 女性心身医学 J Jp Soc Psychosom Obstet Gynecol Vol. 22, No. 3, pp. 225-228,(2018 年 3 月)
2 こころの治療薬 ハンドブック 星和書店
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