躁うつ病の説明

患者様には躁うつ病の薬物治療をわかりやすく説明したいですね。

はい。脳内の神経伝達物質のバランスが乱れていること、お薬が性格を変えてしまうことはないことを説明しています。

躁うつ病の中で、抑うつ性混合状態(混合性うつ病)の症状はどう説明していますか。

元気がなくてぐったりすると同時に、イライラして(易怒性)落ち着かず(精神運動性の焦燥)頭の中が考えでいっぱい(思考競合)になるという不快な高ぶりがある状態ですね。

軽躁状態をよしとしないために、非常な好調のあとには疲れがでてしまうことも強調したいですね。

チョっとくわしく
双極性障害では閾値未満の症状がエピソード間欠期があり機能障害をもたらしている。双極性障害の抑うつエピソードの薬物療法は気分安定薬(リチウム、ラモトリギンなど)と非定型抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン、ルラシドン(ラツーダ))です。リチウムは自殺予防効果が示されている唯一の向精神薬です。一般的に抗うつ薬は単独では用いられませんし、併用であったとしても躁転歴、急速交代、混合状態には推奨されません。

ただし双極Ⅱ型については違う意見もあります。・双極Ⅱ型障害は遺伝的に単極性うつ病に近い、・双極Ⅱ型うつ病にリチウム(双極性障害の予防効果はあり)やクエチアピンは無効、・双極Ⅱ型うつ病にSSRIやSNRIは効果があり、急速交代型にも有効性や予防効果がある、・双極Ⅱ型うつ病に抗うつ薬を使用しても躁転率は低い、などの報告があるのです。

双極性障害の抑うつエピソードにおいては、非定型抗精神病薬と気分安定薬を最初から同時に処方する方法もあります。急性期を非定型抗精神病薬で乗り切り、そのあと気分安定薬が維持療法を引き継ぐという考え方です。



参考文献
1 双極性障害の薬物療法を当事者にどのように説明するか? 著者: 武島 稔 出典: 臨床精神薬理 Volume 25, Issue 11, 1185 – 1191 (2022)
2 双極Ⅱ型うつ病の薬物治療 森下 茂: 最新精神医学 Volume 27, Issue 1, 75 – 79 (2022)

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